電気配線工事に使用される電線管には、材質や構造によって様々な種類があります。中でも「合成樹脂製電線管」は、耐食性・施工性・軽量性に優れ、住宅・商業施設・屋外設備など幅広い現場で使われています。本記事では、VE管・PF管・CD管といった合成樹脂製電線管の特徴と、適切な選定基準について解説します。
主な種類と特徴
- VE管(硬質塩化ビニル電線管):直管タイプで外観が美しく、露出配管に多用される。曲げ加工には専用工具が必要。
- PF管(ポリオレフィン製可とう電線管):柔軟性があり、曲がった配線経路に対応。耐候性・耐熱性に優れる。
- CD管(コルゲートダクト):安価で施工性が高いが、主にコンクリート埋設用途に限定される。
使用場所に応じた選定
- 屋内露出配線:VE管(見栄え・直線性が重要)
- 屋外・曲線経路:PF管(柔軟性と耐候性を重視)
- コンクリート埋設:CD管(安価・埋設専用)
耐候性・耐熱性の比較
- PF管は屋外使用可。紫外線劣化にも比較的強い
- VE管は日光や高温下では劣化しやすく、基本的に屋内用
- CD管は耐候性なし。屋外・露出不可
配線条件と施工性
- PF管・CD管は手曲げ施工が可能。短工期向け
- VE管は直管のみ。90度曲げなどは継手やベンダーが必要
- 可とう管は通線抵抗や収容本数に注意が必要
法令と規格
- VE管:JIS C 8430に準拠したものを使用
- PF・CD管:表示ラベル(PFS、CDS)で適合品を確認
- いずれも電気設備技術基準に則り、使用条件を守ること
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まとめ
合成樹脂製電線管には、それぞれ適した使用環境や特性があります。VE管は美観と直線性、PF管は柔軟性と耐候性、CD管はコストと埋設適性に優れています。電線管の特性を理解し、現場条件や法令に即した選定を行うことで、安全で信頼性の高い配線施工が実現できます。
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