分電盤設置工事の流れと盤内配線の基本

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分電盤は、建物内の回路を安全かつ効率的に分岐・保護する中心的な装置です。分電盤の設置工事は、単に盤を取り付けるだけでなく、受電方式、回路数、配線ルート、保護装置の構成などを含めた施工全体を計画・実行する必要があります。この記事では、分電盤の設置工事の基本的な流れと、盤内配線の実務ポイントを解説します。

設置前の準備と確認事項

  • 図面確認:主幹ブレーカ、分岐回路、接地方式、幹線ルートを確認
  • 盤位置の確認:法令による高さ制限(目安:床上1.5m以下)、扉開閉スペース
  • 下地処理:軽量鉄骨(LGS)やコンパネへの補強、アンカー打設の可否

設置工事の流れ

  1. 盤背面の開口位置合わせと下地固定
  2. 幹線・分岐線の導入:PF/CD管、VE管などにより配線
  3. 端子台への接続:リングスリーブまたは圧着端子を使用
  4. 主幹ブレーカ・分岐ブレーカの固定・配線
  5. 盤内整理:結束バンド、絶縁キャップ、ラベル処理

盤内配線の基本

  • 色分け:R=黒、S=赤、T=白、E=緑などの色をJISに準拠
  • 配線順序:上位回路から順に、左上→右下が基本構成
  • 配線径:負荷電流に応じてVVF2.0mm²~IV14mm²などを使い分け
  • 絶縁処理:端末処理は圧着スリーブやキャップで確実に

検査・確認項目

  • 主幹・分岐ごとの接続状態と締付トルク
  • 回路ごとの導通・絶縁抵抗測定
  • 漏電遮断器(ELB)の作動試験
  • ラベル・系統図・回路表の整合確認

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まとめ

分電盤の設置は、安全性・保守性・施工効率の3点を意識して進める必要があります。配線の整理やラベリングの精度が、その後のトラブル対応や改修工事の効率を左右するため、盤内の美観と機能性の両立を意識して施工を行いましょう。

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