建物内での大量の配線を整理し、安全かつ効率的に支持するために使用されるのが「ケーブルラック」です。幹線ケーブルやLANケーブルなど、重量や本数が多い配線を天井や壁面に沿って敷設する場面で欠かせない設備です。この記事では、ケーブルラックの種類や設置方法、施工上のポイントについて解説します。
ケーブルラックの種類
- ラダー型:はしご状で放熱性に優れ、太物ケーブルや電力幹線に適する
- パンチングトレイ型:底部に穴が開いており軽量。通信・制御線などに適する
- パン型:底板で支持する構造。小規模・美観重視の場面に使用
支持方法と設置間隔
- 支持間隔は通常1.5m〜2.0m以内。重量や施工環境に応じて短くする
- 支持金具には吊りボルト式、ブラケット式、壁面固定式がある
- 振動のある場所では、耐震クランプや落下防止ネットを併用する
設置時の注意点
- 電力線と通信線の分離:干渉を避けるため、別経路または仕切り板を使用
- アース処理:金属製ラックには接地が必要(D種接地を推奨)
- 交差・曲がり:90度曲げは専用コーナー材を使用し、無理な曲げを避ける
- 天井裏設置:ダクト・照明・空調配管との干渉に注意し、点検口の設置も検討
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まとめ
ケーブルラックは、単にケーブルを「乗せる」だけでなく、建物全体の電気設備の美観や安全性にも関わる重要な設備です。ラックの種類や設置方式を正しく理解し、用途や荷重に応じた最適な構成を選ぶことで、長期的に安定した配線支持を実現できます。
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