電気工事の完了後には、作業内容の適正さと設備の安全性を確認するために、自主点検が求められます。点検記録は社内管理だけでなく、元請・施主への報告、工事保証の裏付けにもなる重要な資料です。この記事では、現場で行うべき自主点検の項目と、点検記録の基本的な作成方法について解説します。
点検の目的と義務
- 施工ミスや結線ミスを発見し、安全性を確保する
- 電気設備技術基準やJISに適合した施工内容かを確認する
- 施主・元請・監督官庁への引き渡し資料として整備する
代表的な点検項目
- 外観・取付確認:器具の傾き、プレートの浮き、端子のゆるみなど
- 絶縁抵抗測定:メガーで各回路のL-E・L-N・N-Eを測定
- 接地抵抗確認:必要に応じてアーステスターで測定(D種で100Ω以下など)
- 導通試験:配線誤りの有無を確認(特に3路・4路回路など)
- 動作確認:照明・コンセント・ブレーカ・漏電遮断器の作動確認
点検記録の作成
- 記録様式は社内統一された「工事完了チェックシート」を活用
- 各項目ごとに「判定(〇/×)」「確認者名」「測定値」を記録
- 測定器の製造番号・校正日も記録することで信頼性が向上
- 写真を添付する場合は、撮影日・箇所名・機器型番などを記載
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まとめ
工事後の自主点検は、ミスの防止・事故の予防・顧客信頼の構築に直結します。単なる形式的な確認で終わらせず、現場ごとの設備内容に合わせて、柔軟かつ確実に点検を実施することが、プロの施工者としての品質を支える要素です。記録を「残す」意識も忘れず、誰が見ても明確な帳票づくりを心がけましょう。
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