電気設備の施工後や改修時には、機器や回路が正しく動作するかを確認する「負荷試験(負荷運転)」が重要です。電灯・コンセント回路や動力回路それぞれに適した方法で、実際に電流を流し、異常がないかを確認します。本記事では、負荷試験の基本と実施時の注意点を解説します。
負荷試験の目的
- 機器が仕様通りに起動・運転するかを確認
- 電圧降下・過電流など配線設計の妥当性を検証
- ブレーカ・保護機器の動作確認
- 施工ミス(誤結線・配線漏れ)や初期不良の発見
電灯・コンセント回路の試験手順
- テスト負荷(電気ストーブ・作業灯など)を用意
- 回路に接続し、スイッチ操作・ブレーカONで投入
- 電圧計・クランプメーター等で電圧・電流を測定
- スイッチ動作、点灯状況、発熱、異音の有無を確認
動力回路(モーター等)の試験手順
- 起動時突入電流を想定し、適切な測定レンジに設定
- 電圧・電流・回転方向(モーターの場合)を確認
- 制御盤のインターロックやサーマルリレーの動作確認
- 異常振動・騒音・過熱の兆候がないか観察
注意点
- 試験中は電線・機器に触れず、安全距離を確保
- 誤配線が疑われる場合、負荷投入前に絶縁抵抗を再確認
- 機器メーカーのマニュアルに従い、定格を超える負荷をかけない
- トランスを介した供給系統では、電圧安定性にも注意
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まとめ
負荷試験は、単なる通電確認ではなく、設備全体の安全性と信頼性を評価するための重要な工程です。回路種別や負荷特性に応じた試験方法を理解し、記録・点検と合わせて確実に実施しましょう。
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